自然であること

自然とは…、ある必然の流れの中にあって無理がないこととでも言えるであろうか。
人として生きて行く様にあっても自然でありたい。
住宅、あるいは建築もそうありたいと考えている。
それにしても「自然に」と言うのは難しいものである。
何を自然と感ずるかは人によって違う場合もあるからである。

住宅に即して考えるとどうなるであろうか。
住まう人にとって自然であること。立地や周辺環境に自然であること。
家を力学的に成立させる構造に無理がないこと。素材の使われ方が自然であること。
様々な側面を思い描きながら、設計作業は進められて行く。
自らの美意識、あるいは住まう人のアイデンティティーに照らして…。

自分が自分で居られる場とは、その人の嗜好に叶った空間である必要がある。
その人を形成してきた背景(歴史)や価値観、すなわちアイデンティティーが素直に
投影された空間こそが、住宅に求められる本質的な部分だと確信している。
それが実現した時にこそ、その住宅は美しく、自然である。

尾崎 公俊

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